こんにちは、Compassワタナベです。
私は現在、教育大学の2年生。もうすぐ初めての教育実習が始まります。
大学の授業では、指導案の書き方や、分かりやすい説明の方法、生徒の興味を惹きつける「発問」の技術などを学んできました。頭の中は「いかに上手に教えるか」でいっぱいです。
でも、正直に言うと、不安で押しつぶされそうになる夜があります。
「もし、生徒から答えられない質問をされたらどうしよう?」 「『先生、そんなことも知らないの?』って思われたら…」
そんなプレッシャーを感じていた時、私が尊敬する中学校時代の恩師と話す機会がありました。先生は今の教育現場について、ポツリと言いました。
「ワタナベくん、昔と今とでは、教え方が180度違うんだよ」
その言葉の意味を測りかねていた私に、先生が薦めてくれたのがこの一冊でした。
『たった一つを変えるだけ クラスも教師も自立する「質問づくり」』 (ダン・ロスステイン、ルース・サンタナ著、吉田新一郎訳/新評論)
この本を読み終えた今、私の「理想の教師像」は、ガラガラと音を立てて崩れ去り、そして新しく再構築されました。
「教える」をやめて、「問う」を任せる衝撃
この本の内容は、タイトル通り驚くほどシンプルです。
授業において、これまでの常識だった「教師が生徒に質問(発問)する」というスタイルをやめる。代わりに、「生徒自身が質問をつくる」という時間を設ける。
変えるのは、たったそれだけです。
著者が開発した「質問づくり(QFT)」というメソッドは、「質問に良い悪いはない」「問いをどんどん出し合う」といった簡単なルールのもと、生徒たちが主体的に問いを生み出し、それを深めていくプロセスです。
本の中では、この手法を導入したことで、普段は無気力だった生徒が目を輝かせて議論に参加し始めたり、教師自身も想像もしなかった深い学びが生まれたりする事例が、これでもかと紹介されています。
読んでいて、目から鱗が落ちる思いでした。
私はこれまで、「良い授業=教師が良い問いを投げかけること」だと信じて疑いませんでした。だからこそ、「自分がコントロールできない質問」が来ることを極度に恐れていたのです。
しかし、この本は教えてくれます。
本当に大切なのは、教師が正解を与えることではなく、生徒自身が「問い」を生み出す力を育てることなのだ、と。
「一緒に考えよう」と言える勇気
この本を読んで、私はハッとしました。
私が目指していた「何でも知っていて、完璧に答えられる先生」は、もしかしたら、生徒の考える機会を奪う存在になってしまうかもしれない。
それよりも、未知の問いに出会ったときに、生徒と一緒に面白がり、一緒に悩める大人のほうが、ずっと魅力的ではないか?
恩師が言っていた「180度違う」という意味が、少し分かった気がしました。
今の私の「理想の教師像」はこう変わりました。
「先生とは、何でも知っている人ではなく、『知らないことを知る喜び』を誰よりも知っている人であり、一生学び続ける人である」
もし教育実習で、生徒から予想外の鋭い質問をされたら。 今の私なら、冷や汗をかきながらも、こう言える気がします。
「すごい、良い質問だね! 先生も答えが分からないや。どうやったら分かるか、一緒に考えようか!」
それは「言い逃れ」に見えるかもしれません。でも、これが今の私がたどり着いた、一番誠実な向き合い方です。
教室の外でも使える「問い」の力
この本のメソッドは、学校の授業だけでなく、あらゆるコミュニケーションに応用できると感じました。
例えば、就職活動のグループディスカッションや、社会に出てからの会議の場でも。「誰かの意見を待つ」のではなく、「場の議論を深めるための問いを立てる」ことができる人は、きっと重宝されるはずです。
教育実習はまだ不安です。でも、「完璧に教えなきゃ」という呪縛から解放されたことで、生徒たちとどんな「問い」に出会えるのか、少しだけ楽しみになってきました。
まずは普段の生活の中で、自分自身に、そして周りの世界に、小さな「クエスチョンマーク」を投げかけることから始めてみようと思います。
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