こんにちは、Compassワタナベです。
ゼミの発表やグループディスカッションで、自分としては一生懸命説明しているのに、聞き手から「で、結局何が言いたいの?」という無言の圧力を感じたことはありませんか?
恥ずかしながら、これは最近までの私の日常でした。よかれと思って具体例をたくさん盛り込むほど、話は長くなり、聞き手は飽きていき、議論はかみ合わない…。そんな空回りの連鎖に、正直うんざりしていました。
思考の「解像度」という衝撃的な指摘
そんなある日、サークルの先輩に就活の相談をしていた時のことです。自己PRでサークル活動の話を延々とした私に、先輩は一言、こう言いました。
「ワタナベの話は、なんだか解像度が低いんだよな。一度この本、読んでみたら?」
そう言って勧められたのが、細谷功さんの『具体と抽象』でした。「抽象」という言葉に、正直「なんだか難しそう…」と身構えてしまったのを覚えています。
「具体」と「抽象」は敵同士ではなかった
しかし、読み進めていくうちに、私は自分の大きな誤解に気づかされました。「具体=わかりやすい」「抽象=わかりにくい」という単純な二項対立ではなかったのです。
この本が教えてくれたのは、「具体の世界」と「抽象の世界」を自由に行き来することの重要性でした。
- 具体化:「例えば?」と個別の事象に深く潜り、解像度を上げる思考。
- 抽象化:「要するに?」と物事の本質を掴み、他の事象にも応用できる法則を見つけ出す思考。
私の失敗の原因は、まさにこの「抽象化」の視点が欠けていたことでした。ひたすら具体例を並べるだけで、「結局、その経験から何が言えるのか」という幹の部分を全く示せていなかったのです。まさに「木を見て森を見ず」の状態でした。
自己分析に「思考のコンパス」を手に入れた感覚
この「具体⇄抽象」という思考のフレームワークは、特に就職活動の自己分析で絶大な効果を発揮しました。
例えば、今までただ「サークル活動を頑張りました」としか言えなかった経験を、このフレームワークで整理してみます。
- 【具体】「学園祭で、出店の売り上げ目標を達成するために、SNSでの宣伝に力を入れた」
- 【抽象】→「目標達成のために、現状を分析し、新しい打ち手を考えて実行する力がある」
- 【具体】→「その力を、貴社の〇〇という商品のマーケティング戦略立案で活かせると考えています」
このように、具体的なエピソード(点)を、抽象化によって自分の強み(線)として捉え直し、それを再び企業の事業内容という具体的なフィールド(面)に結びつける。この往復運動によって、自分の経験がただの思い出ではなく、再現性のある「スキル」として語れるようになったのです。
もちろん、すぐに完璧にできるようになったわけではありません。面接で緊張してしまい、また具体の話ばかりしてしまって自己嫌悪に陥ったことも一度や二度ではありません。思考のクセというのは、なかなかしぶといものです。
まとめ:世界の見え方を変える「解像度」
『具体と抽象』は、単なる小手先の思考法を教える本ではありませんでした。それは、私たちが世界をどう見るか、その「解像度」を上げてくれる、まさに「思考のコンパス」とも言えるツールでした。
もしあなたが、かつての私のように「話が伝わらない」「議論がかみ合わない」と悩んでいるのなら、それは能力の問題ではなく、単に思考の「往復運動」に慣れていないだけなのかもしれません。
まだ私もトレーニングの途中です。あなたも一緒に、この「具体」と「抽象」の海を旅してみませんか?きっと、今まで見えなかった新しい景色が広がっているはずです。
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